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墨流し
2010年 05月 04日 (火) | 編集

チベットスミナガシ

チベットスミナガシ

チベットスミナガシ Dichorragia nesseus
(中国 四川省 峨眉山 / Omei Shan, Sichuan, China, 10-20. Jul. 2000)

 スミナガシ(墨流し)。これほど素晴らしい和名はそう無いんじゃなかろうか。普段、和名はある程度便利なツールとしてしか使用しておらず、基本的には学名を使っているのですが、スミナガシは何とも優雅で日本人の感性に訴える名だと思うのです。

 さてさて、そんなスミナガシですが、この属には基本的に東洋区に広く分布するスミナガシ D. nesimachus とウォーレシアに分布するシロシタスミナガシ D. ninus の2種が知られていますが、中国のチベット・雲南・四川の山奥から記載されているスミナガシの亜種 D. n. nesseus を、3番目のスミナガシ(チベットスミナガシ)として扱うことがしばしばあります。
 そもそも殆ど採れないので標本も少なく、まとまった標本で詳細に比較されたことも無く、図鑑にも図示されておらず、原記載文は3行記載に近いので、正体が良く分かっていないというのが実情なのですね。なので近場から来る普通のスミナガシの標本がチベットスミナガシとして売られていることもしばしば。

 それでも近年ちょこちょこ採集されているようで、少ないながら私の手元にも数個体集まった訳ですが、観察してみると、全体的に暗色斑が減退していてのっぺりとした風貌で、前翅亜外縁の白色くさび型斑がほぼ同じ幅で連続するという、一般的なスミナガシには絶対に見られない特徴を備えているようで、こりゃあ見れば見るほど別種に思えてならない訳です。

スミナガシ

スミナガシ D. nesimachus
(中国 四川省 都江堰市 青城山 / Qing Cheng Shan, Sichuan, China, 10. Jun. 1992)

 こちらが普通のスミナガシで、上の個体とやや近い産地の個体。
 まぁ、まだ交尾器を解剖していないので、判断を下すのは尚早ではありますが、チベット南部から雲南北西部、そして四川西部の山塊には固有種が多いので、チベットスミナガシもGood speciesの可能性は大いにあると思います。

 そんなこんなで、中国奥地には夢とロマンが満ち溢れています。これからは中国が熱い!



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