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レガリス
2014年 04月 16日 (水) | 編集


随分昔にレガリスと名の付く生物について書いた時に、少し触れた憧れの蝶。いつかは現物を拝むつもりだったのだけど、出会いは案外すぐに、そして唐突に訪れた。私の中でのレガリスの最高峰。


Prothoe franck regalis
(Namyung, N. Sagaing, Myanmar) ((財)進化生物学研究所コレクション)

レガリスルリオビヤイロタテハ Prothoe franck regalis

北限のルリオビヤイロタテハは他の亜種とは一線を画する。
前翅の瑠璃帯が外側に向けて異様に幅広くなり、色も瑠璃色ではなく藤色で、構造色のコントラストは弱く、燻し銀。亜外縁にも同色のスポットが連続して現れ(他亜種は3, 4室には現れない上に、白い)、さらには瑠璃帯中央の白帯を完全に欠き、連動する裏面の同じ場所にも白帯は見られない。裏の地色は暗く、後翅2,3室後中央部の黒色楔形斑は他の室と同程度に発達する(他亜種はだいたい細い弦月形)。
ダブレラ図鑑(D'Abrera, 1985)に掲載されているカラー写真で初めて存在を知った時、見慣れたスンダランドのものと余りに違うのと、その格調高さに驚愕し、私の記憶中枢に強烈な印象を残した。それもその筈で、亜種小名の"regalis"とは『王者の威厳』という意味であり、まさに体を表した名だと思う。

写真の個体(ミャンマー・サガイン産)は上記図鑑に図示されているホロタイプ(インド・マニプール産)と比べると、これでも瑠璃帯が細い。サガインとマニプールは地図上では大した距離はないけれど、少なからず地域差があるのだろうか。そのホロタイプはさすが王威という名に相応しく瑠璃帯の広さが物凄いのだが、ここでは出せないので、出しても差し支えの無いButler (1885)による原記載図と、Moore (1899)のホロタイプからおこした彩色図を紹介する。ちなみに2枚目のMooreの図の1, 2段目はインドシナ中央部からスンダランドにかけて広く見られるタイプで、普通ルリオビヤイロといったら誰もがこの蝶を脳裏に浮かべるはずである。


Prothoe ragalis Original Fig-
Butler (1885). Ann. & Mag. Nat. Hist., Vol. 16: pl. 8 (原記載図)


Prothoe_326.jpg
Moore (1899). Lepidoptera Indica, Vol. IV: pl. 326

この種はインド北東部からスンダランドまで広く分布していて大体何処でも普通種なのだが、本亜種に限ってはどうやらそうではないようで、1924年に発行されたAntram著『Butterflies of India』には"Exceedingly rare"の記述がある。当時から珍しかったようで、あの幻のオナシカラスアゲハPapilio elephenor でさえ"rare"と書かれているところを、さらに2段階上の"Exceedingly"とされているのは時代が感じられて興味深い。当時はこのレガリスの方が標本が少なかったのに加えて、まさかオナシカラスが幻になるとは思われていなかったのだと思う。この本は改めて見ると、オナシカラスよりも珍品度が高い種が多くて面白い。





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