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空飛ぶ肖像
2013年 07月 09日 (火) | 編集

lib04_icones_20130709085754.jpg



Vane-Wright_William_Jones.jpg

 2010年のAntenna誌 34巻1号でBMのVane-Wright大先生がフリーのウェブ公開を提案していた(→こちら)、オックスフォード大学自然史博物館に保管されるこの世に只一冊(正確には全6巻一揃え)しかない図版本『ジョーンズのアイコン Jones Icones (1783–1785)』。ついにファンドが付いたらしくて、いよいよ今年中には無料公開される予定とのこと。その名も"Flying Icons Project"だそうです(→こちら)。

 因みに只一冊というのは、「現存するのが」というのではなく、「一冊しか作られなかった」ということ。この図版本は、リンネの直弟子である偉大な昆虫学者ファブリキウスFabriciusが記載した蝶および蛾の模式標本を手描きで詳細に描いた水彩の原色図約1500点を綴じたもの。描いたのはウィリアム・ジョーンズWilliam Jonesという人なので、この本は通称『ジョーンズのアイコン』と呼ばれている。ここに描かれている図の模式標本自体はロンドン自然史博のバンクスコレクションを始め、各地の機関に保管されているが、行方が分からないものや、失われたものも少なくなく、私がやっているフタオチョウでもベルナルダスCharaxes bernardus などの非常に重要な種のタイプ(模式標本のこと)はこの図版を参照するしかない。

 オックスフォードに問い合わせれば複写を送ってもらえるとはいえ、昆虫学の基礎的研究や、博物学の歴史的価値において、あるいは書籍における美術的な価値にとっても、この世で最も重要かつ貴重な(むろん値段などつけられない)書籍の一つであるこの本が、無料で世界中に公開されるという意味はとてつもなく大きい。

今から楽しみだ。





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