Lepido and Scales
Four elements
2012年 11月 18日 (日) | 編集

Nacaduba angusta kerriana
(♂, upperside; 19 miles from Tapah, Cameron Highland, Malaysia, 4. Feb. 2005)

アングスタアマミウラナミシジミ Nacaduba angusta kerriana

結構珍種。アマミウラナミシジミ Nacaduba の仲間は結構好きだ。近縁のルリウラナミシジミ属 Jamides の方が圧倒的に綺麗なので、そちらの影に隠れて人気がないけれど( Jamides も人気が高いとは言えないけど)、Jamides 同様、東南アジアには沢山の種数がいて、そのほとんどが珍品。決してアマミウラナミと馬鹿にしてはいけない。
大きさはどちらもその辺にいるルリシジミと同じくらい。本属は日本には南西諸島に1種、アマミウラナミシジミ N. kurava だけが生息している。

飛び方はヤミデスが林縁や明るい林内をヘロヘロと飛ぶのに対して、ナカドゥバはやや暗い林縁や林内のギャップの梢上を素早く硬質に飛ぶのでエラそうな感じがする。熱帯アジアで素早く、エラそう(これが重要)に飛ぶシジミには珍種が多いので、この飛び方だけでまいってしまう。これが本属に燃える要素その①で、道なき暗い森林を漕ぎ進み、ぽっかり開いた小さいギャップに射しこむ陽光の中を素早く飛び回るこの仲間を見つけると、個人的にはかなり心が躍るのである。


Nacaduba angusta kerriana
(Ditto, underside)

とはいえ採れるほとんどは、上述したアマミウラナミ N. kurava とその近縁の N. beroe, N. berenice で、こいつらはド普通種。本属には大きく分けて2グループがあり、ド普通種が属する方は前翅裏面の基部から後中央部にかけての白いラインが6本。もう一方は4本で、こちらの方は全部が珍種。そして前者と違って森の中から出てこない。なので、網に入れて"four lined"だと相当嬉しい。一人森の中で雄叫んでしまう。傾向としては"four lined"の方が飛び方がよりエラそうな感じがあるが、網に入れないと確実には判らないので、そういうギャンブル的なところが燃える要素その②である。

また、インドシナからスンダランドにいる種は、みんな似たり寄ったりの風貌をしているので、正直同定は慣れないとかなり難しいのだが、取り敢えず全部採って帰って、その日の晩に宿でビールかタパイを脇に置いて同定し、一喜一憂するのが楽しい。これが燃える要素その③。

そしてニューギニアの方まで行くと(私は行ったことがないけど)、タスキシジミ Danis みたいな斑紋のものまでいたりして、これがまた凄い。「これがナカドゥバ!?」というほど徹底的に似ており、本属の雰囲気などはもう欠片もなく、かの地での並行変異の凄まじさはこんな小さな蝶にまで及ぶのか、と感心せずにはいられない。その多様性とポテンシャルの高さも本属に燃え…いや、もう萌えでもいいや…る要素であり、その④である。

この写真のアングスタは"four lined"のグループで、その中では“まあまあ”レベルの種。とはいえ表裏ともども地色が他種とは一線を画するほどに明るく、白ラインも非常に幅広くて綺麗であり、翅形も他にはないくらい丸みを帯びて、一見 Nacaduba に見えないので、採れるとかなり嬉しい。かくいう私はこれ一つしか採ったことがない。





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