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地の果て
2012年 10月 22日 (月) | 編集

Enggano Is.

 エンガノ島(Enggano Is.)というインドネシアの島をご存じだろうか。
インドネシアの蝶に明るい方なら多分知っているだろうし、そうでない方も、諸説あるとはいえ近年ここのアトラスオオカブトが、第3のアジアのオオカブトとして独立種エンガノオオカブト Chalcosoma engganensis になったと言えば、どこかで聞いたことがあるかもしれない。

 爬虫類では、ロンボック島やフローレス島などの小スンダ列島に分布するチモールナメラという相当地味なナミヘビの亜種 Coelognathus subradiatus enganensis が、間のジャワやバリを西に遠く飛び越えてここにいるのが大変興味深い(想像するに絶対同種じゃないと思う)のだが、それを知ってこの島とそのヘビに憧れている人は、おそらく既に病気であって、きっと世間一般の健全な生活には戻れないこと請け合いである。

 それはさておき、地図をご覧になれば分かるように、この島はスマトラ島の南西部沖、約150kmに浮かぶ孤島で、まさに僻地といっても差し支えはないだろう。相当強引だが、この南にはもう南極しかない。
スマトラ島と並行し、エンガノ島から西北に向かってメンタワイ諸島、バツー諸島、ニアス島、シメルエ島が浮かび、いずれの島もスンダランド中心部の時間の流れから取り残されたような興味深い生物相を見せる。
しかし話は戻ってエンガノ島、どうもインドネシアはここに宇宙ロケット基地を作ろうとしているみたいなので、もしかしたら今後俄かに脚光を浴びるのかもしれない。

 とまれ、そんな島にも私の愛して止まない地味なフタオチョウはやはりいるもので、大陸からスンダランドにかけて広くいる普通種ベルナルダスの亜種が知られている。一つ前の記事では、てっきり既出のつもりでこの蝶のことに触れていたのだが、迂闊にもまだ出していなかった。


Charaxes bernardus enganicus

ベルナルダスチャイロフタオ エンガノ島亜種 Charaxes bernardus enganicus

 小型の亜種なのだが、翅の外縁は著しくギザギザし、後翅表亜外縁の黒色部が著しく外側にズレ、これ以外には両翅裏面の後中央部の斑紋も、大陸および、スマトラやマレー、ボルネオなどのベルナルダスとはかなり違っていて、一見して見分けがつく。そして非常に格好良い。
色合いもより明るく、茶色と黒、という蝶においてはおよそ最悪ともいえる色彩の中でも、少なくともベルナルダスとしては、格調高さを感じさせる亜種で、普通に見ても別種に見える。


Charaxes bernardus enganicus
Charaxes bernardus enganicus
(♂; Enggano Is., Bengkulu Prov., Sumatra, Indonesia, Jan. 1993)

 今は採集人をほとんど派遣していないようで、新しく入る可能性はかなり低かろうとは思うのだが、これはかなりの数が以前入荷しており、その気になればまだ手に入る。なので自ら行って採集してはみたいが、それほど優先順位は高くないかもしれない。
何種も生息している西隣のメンタワイ諸島などに比べると、この島にはこれ1種しかいない(いるかもしれないが)というのも、行きたいという思いに至らない理由の一つだと思う。


Charaxes bernardus enganicus
Charaxes bernardus enganicus
(♀; Enggano Is., Bengkulu Prov., Sumatra, Indonesia, 8. Aug. 1994)

それよりも、やはりメンタワイ諸島にリベンジしたくて死にそうである。
あんな地の果てまで行って、フタオはボーズだったというこのやるかたない気持ち…。
あそこのフタオは全て珍品とはいえ気配さえ無いとは…………。






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