2012年
05月
28日
(月)
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ポエンシスサンカクヘビ Gonionotophis poensis
困った時のサンカクヘビ。
これまでサンカクヘビの属をメヘルヤ Mehelya としてきましたが、今回はゴニオノトフィス Gonionotophis として扱いました。
Gonionotophis 属は、これまで鱗と歯列の形状という、2つの形質状態の違いによって、Mehelya にごく近縁な別属とされてきましたが、つい一昨年に出たKelly et al., (2010)の論文で、分子による系統解析の結果を基に形態形質の見なおしを行い、この2属は同じ属であるとされました。同属とするならば、どちらかの属に帰属するわけで、記載年代の早かった Gonionotophis が有効であるとされた次第です。
一昨年出た論文なんだから、当ブログでは何でず~っとメヘルヤを使用していたかと言いますと、論文を読んだ感想として、何となくこのサンカクヘビの部分はいろいろ納得がいかず(基本的に私は形態屋なんで、笑)、良く出来たデータですが、これを嚆矢として、もっと突っ込んだ論文がほかにも出てくるだろうと思われたので、個人的にはこの属の扱いは時期尚早かなあと思ったからです。
まあ、今でもそう思ってますが、それからちっとも新しい論文が出る気配が無く(私が気付かないだけで、出てたりして…)、世間でもこの仲間をゴニとして扱う感じになって来ているっぽいので、ここでも様子を見つつ Gonionotophis にシフトしていこうかな、とやっとこさ思い始めたというところです。
とはいえ、この辺はまだ流動的かと思っているので、またころっと Mehelya に戻すかもしれません。
引用文献:
Kelly et al., 2010., Molecular systematics of the African snake family Lamprophiidae Fitzinger, 1843 (Serpentes: Elapoidea), with particular focus on the genera Lamprophis Fitzinger 1843 and Mehelya Csiki 1903. Molecular Phylogenetics and Evolution, 58 (3): 415-426. http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1055790310004434 (PDFはページ左上から。見られなかったらごめんなさい)
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