Lepido and Scales
帝王の威厳
2010年 11月 11日 (木) | 編集

 すみません、相変わらず更新頻度が落ちております。なかなか爬虫類を採る、もとい撮る余裕がございませんで本日も東南アジアのてふてふで御座います。

 とは言いつつも最近サンカクヘビ属 Mehelya やその周辺のグループを調べるのが結構面白いなあと思っておりまして、ダウンロードした論文を枕元で眺めている次第です。その内ちょこちょこ書こうかと思いますが、リンク先のアダシノ氏が某雑誌に書くらしいので、そちらを楽しみにするとしましょう。


ドゥルンフォルディフタオ

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ドゥルンフォルディフタオ Charaxes durnfordi kawaii
タナマサ島亜種

 さてさてドゥルンフォルディフタオ、思い入れの強い生物種って生き物屋には何かしら必ずあると思うのですが、私にとってはこの蝶がそれです。茶色一辺倒なこのグループにおいて、本種は翅の表がベルベット調の栗色~黒の地色、後翅表には青みがかった太い白帯、さらに裏面は藤色がかった白色。なんと神々しくも重厚な威厳に満ちみちておられることか。もはやアジアの帝王と言ってもよいくらいです。

 本種は東南アジアのキャラクセスの中でもたいへん格調高き種として知られておりますが、その中でもカワイイはかなり美しい亜種です。因みに大コレクターの故・川合三男氏に献名されているので kawaii なのであって、女子の言うそれではありません。


Charaxes durnfordi kawaii
Charaxes durnfordi kawaii
(♂, Tanahmasa I., Batu Isles. Indonesia, Apr. 2005)

Charaxes durnfordi kawaii
Charaxes durnfordi kawaii
(♀, Tanahmasa I., Batu Isles. Indonesia, Apr. 2005)
 
 以前の記事でマレー半島部の原名亜種と、ミャンマーの極珍亜種を紹介しましたが、このカワイイはインドネシアはスマトラ島の南西部200kmの海上に南北に連なるメンタワイ群島の一部を成している、バツー諸島のタナマサ島(長い…笑)に分布しており、固有の亜種とされております。
 以前の記事内の写真と比べてみれば分かると思いますが、前翅表の2列の白斑列のうち、内側が著しく減退し、外側がかっちりと太くなり、後翅表の白帯の内側がつよく青灰色を帯びるのが特徴です。裏面もより茶色がかり、斑紋のコントラストが強くなるので、一見して区別がつく個体群ですね。そもそも珍種な上に、なかなか入荷がない地域なのでこの種の中でも入手し辛いといえましょう。この島はオビクジャクアゲハの超美麗亜種 Papilio palinurus vega なんかでも有名な島でして、あれは是非採ってみたいです。

ドゥルンフォルディフタオ

 東隣のシベルト島やシポラ島などのメンタワイ諸島にも本種は分布していて、ssp. siporanus という亜種とされますが、これは別種かと思うくらい翅形・斑紋が異なっております。同様にボルネオの亜種群ssp. everetti, ssp. kabuto, ssp. nanami や、ジャワの亜種ssp. staudingeri なんかも一見して別種に見えます。しかし、このカワイ氏はどちらかというと、原名亜種を含むタイ~スマトラ亜種群をクラインとして、その末端に位置するように思います。まあ、上記の見た目著しい亜種たちと、後者の亜種群とを同列に扱うのはどうかと考えていますが、今のところ交尾器などに顕著な違いがないので、そのままにして置かざるを得ないでしょう。


ドゥルンフォルディフタオ

うん、かっこいい。
今までマレー半島でもボルネオでも、シベルト島でも悉く敗退しているので、一度でいいから本種を採ってみたいもんです。




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