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Aldania the special Genus in Neptini
2010年 09月 02日 (木) | 編集

 いやぁ昼はツクツクホウシ、夜はコオロギやらの声が耳につく季節になってきましたね。もっともアオマツムシの声はどうにも居心地の悪さを感じてしまうんですが。蝶もあんまり見なくなってきましたし、そろそろ季節も終盤。寒いの大嫌いなのでこれから憂鬱ですよ。
冬はやはり渡りの季節!ということで、どっか暖かい処に行きたいもんです。てふてふも沢山いるでしょうし。

 さて、世界の蝶に親しみの少ない人にはあんまり知られていませんが、ミスジチョウの仲間(タテハチョウ科Nymphalidae, イチモンジチョウ亜科Limenitidinae, ミスジチョウ族Neptini)は意外と多様なグループなのです。

 我が国にはこの仲間は、ミスジ属 Neptis のオオミスジ、ミスジチョウ、コミスジ、リュウキュウミスジ、ホシミスジ、フタスジチョウの6種がいるのですが、ちょっと郊外や近所の山に出掛ければコミスジには簡単に出会えますし、地域によっては他の種も結構簡単に見られるので、割かし身近なチョウです
 私はその昔、オオミスジとフタスジチョウに憧れていて、初めて採った時は大興奮して鼻血が出そうになりました。今でもオオミスジとミスジチョウは出会うと嬉しくなりますね。山の麓とかで梅とかスモモの木を見るとついついオオミスジを探してしまいます。

 まぁ、この連中はどいつもこいつも黒白のカラーリングでシック(地味とは言わない笑)なんですが、これが中国や東南アジアに行くと同じミスジ属 Neptis でもオレンジ色のが沢山いますし、東南アジアに行けば、更に輝かしい橙色のキンミスジ属 Pantoporia やヒメミスジ属 Lasippa なんかが居ます。白黒ですが、トガリミスジ Phaedima も大きくて格好良いですね。インドシナにいる妖しげなオレンジ色のアルマンディアミスジ N. armandia とかオセアニアにいる青いベニリアキンミスジ P. venilia なんて超素敵!


Aldania raddei

スジグロミスジ Aldania raddei

 と、まぁ色々といるんですが、やっぱり擬態。擬態する奴がミスジにも居るのです。スジグロミスジ属 Aldania は1属2種から構成されるグループで、極東ロシアから中国北東部、そして間が大きく抜けて中国雲南省西部や東チベットにそれぞれ分布しており、一見して他のミスジチョウとは斑紋が異なります。

 このスジグロミスジの方は数は多くはなさそうですが、ロシアではそれほど珍しいものではなく、標本も割と手に入り易いです。まぁこいつが擬態種かどうかはちょっと判断に困りますが、もしかしたらシロチョウの仲間と擬態関係にあるのやもしれません。



Aldania imitans

イミタンススジグロミスジ Aldania imitans

 そしてこいつが、予てから個人的にアサギマダラに擬態するチョウでは最高峰と考えている種!
雲南、四川、東チベットが交わる辺りの特産種で大大珍種。かなりマイナーな種ですが、その存在感たるや筆舌に尽くしがたい! アサギマダラに似せているだけあって開長も7cm位で大迫力なのですよ。
ミスジがマダラに擬態しているだけでも鼻血が出るのに、ここまで完璧にアサギマダラに似せられたら、もう五体投地で拝伏するしかないじゃないですか。それに、どうしてこのグループでこいつだけがここまで完璧に擬態を完成させたのか、アサギマダラ自体は広ーい範囲い分布しているのに、なんで他に擬態するミスジが居ないのか、などなど非常に興味がそそられます。

この完璧な擬態、珍稀度、似たものが居ない、そして分布域、と4拍子も揃った奇跡の存在。中国最奥地に今なお潜む、この神の化身に私は強烈に憧れるのです。現地で見たら多分失神すると思う。



写真: D'Abrera (1993) 「Butterflies of the Holarctic Region Part Ⅲ」を改変 /
Photos: after D'Abrera (1993),〝Butterflies of the Holarctic Region Part Ⅲ".




Comment
この記事へのコメント
恐れ入りました
Author様、願いを叶えていただきありがとうございます。ダブレラ図鑑に掲載されていたのですね。
ネットでこのチョウ(の画像)を採りあげられたのはこのページが初めてと思います。

私ははじめて姿を知りましたが、息をのむほど素晴らしいですね。翅形と翅脈にミスジの風合いを色濃く残しつつ、色彩とサイズはまったくアサギマダラそのものじゃないですか・・・。
アサギ関連種のささやかなコレクターとしてはぜひ手元に置きたいものですが、極珍品ならば標本の実物を拝見する機会があればそれだけでも幸せといったところでしょうか。

ありがとうございます。ひとつ目標が出来ました。
2010/ 09/ 03 (金) 23: 03: 37 | URL | 蟲師 # -[ 編集 ]
蟲師さん
写真は図鑑を改変したもので恐縮ですが、いつかは実物の写真を撮りたいものです。
昨年の春にビッダーズオークションで出ていたのが初のネット画像だと思いますが、既にサーバーから消えているようですね。私が蝶を本格的に集め始めてからは、その時の個体以外、後にも先にも売りに出ているのを見たことが無いですし、フェアであの辺りに強い標本商に聞いても、中々入るのは難しいみたいです。

ミスジがこの手の擬態をしている、というのが素晴らしいですよね。是非是非、お互い入手できるように頑張りましょう!
2010/ 09/ 06 (月) 15: 52: 21 | URL | acraeoides # aCXfCcIc[ 編集 ]
頑張りましょう
でも、あなたと私で値をつり上げることにならないようにしなきゃねぇ・・・。
2010/ 09/ 06 (月) 22: 33: 43 | URL | 蟲師 # -[ 編集 ]
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