Lepido and Scales
インドの藩王
2010年 07月 12日 (月) | 編集

インドチャイロフタオ Charaxes psaphon imna
インド亜種

Charaxes psaphon imna

Charaxes psaphon imna
(♂, Nilgili Hills, S.India, Aug. 2000)

 1870年にButlerによって記載されたインドチャイロフタオのインド亜種。名義タイプ亜種のssp. psaphon はスリランカの個体群で、ssp. imna の方が翅表面の黒色帯が細いとされていますが、細かい違いだと思います。

 インド・スリランカに居る唯一の bernardus 種群のフタオで、インドシナから東洋区島嶼にかけて広く分布するチャイロフタオ Ch. bernardus と比べると、♂の翅形がやや縦長で、翅表の黒色帯も翅のほぼ半分を占めており、黒帯内縁も湾曲せずに直線的で、そのソリッドな感じが非常に素敵です。地色もより暗色というか、深い味わいの煉瓦色が、妖しく高貴な雰囲気を醸しております。裏面の条斑も全体的にメリハリがあって引き締まった顔をしており、もう素敵!と言わずして何といわんやでございましょう。


Charaxes psaphon imna

Charaxes psaphon imna
(♀, Nilgili Hills, S.India, Aug. 2004)

  メスの方はオスほどベルナルダスと変わらないのですが、全体的にソリッドな斑紋はやはり偉大なるプサフォン様の特徴を湛えています。

 これらは南インドのニルギリ丘陵の標本でして、この辺りはインド-マラヤ区の中でも固有種・固有亜種の多い地域で非常に興味深いところとして知られており、パンディヤナベニモンアゲハやタミラナルリモンアゲハ、インドキシタアゲハなどが蝶の世界では有名ですね。クワガタでもブルマイスターツヤクワガタ Odontlabis burmeisteri なんて大型美麗種が知られています。ブルマイスターは欲しいです。
 さらに南インドはアフリカで大繁栄しているツマアカシロチョウ属 Colotis がいたりして、遥か昔にインドとアフリカがくっついていた頃の関係性を思わせる昆虫相をしており、是非是非行ってみたい地域なのです。ちょっと西側に出掛けてキングコブラも見たいですし。
 でもこの頃インドは無許可採集に非常に厳しい上に、許可を取るのは大変なので実現するのは何時になるやら…

 ところで、Charaxes 属は英名でRajah(ラージャ)と呼ばれており、これは昔の「インドの藩王」のことでマハラジャの事ですね。近縁属の Polyura もNawab(ナワブ)と呼ばれていて、こちらは「ムガル帝国の太守」の意。やはりフタオチョウはタテハチョウ科の王様なわけですよ。
 このインドチャイロフタオもIndian Tawny Rajahと称されており、まあ現地に行けば少なくないとは思いますが、これからもインドの地に君臨し続けて欲しいものです。



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