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Ultimate Species
2009年 11月 23日 (月) | 編集

今日もマニアックにアフリカの蝶をご紹介。


C. lydiae

C. lydiae
(♂; Kinguele, Mbei River, Gabon, 10. Feb. 2009)

リディアエフタオ Charaxes lydiae

 まあ、いきなりぶっちゃけた話、私のフタオチョウ蒐集歴の中でこの標本が最も阿呆な価格だった訳なのですが、と言うのも本種は、先だって紹介したフルニエフタオ Charaxes fournierae や、スペルブスフタオ C. superbus と共にアフリカのCharaxes における「三大超珍稀種」のひとつに数えられていて、他の2種が採れはじめた今日においても未だにその珍稀性が損なわれてはいない至高の存在なのです。
 その分布は、ガボン、カメルーン、コンゴなどアフリカ西部の熱帯多雨林に限定されており、もちろん食樹や幼生期も判明しておらず、はっきりとした生活空間は解らないので産地に行っても滅多にお目にかかれません。

 あ、何だかアジアの Polyura 属みたい、とか言ってはなりませんよ。超珍品というだけでも興奮するのですが、本種の面白いところはその斑紋形態で、何とドクガ科 Lymantriidaeのガ Otroeda planax と擬態関係にあると言われているのです。

 以下がそのガと比較画像(図鑑より転載)

Otroeda Planax
Otroeda planax (Lymantriidae)

比較

 やはりこの前ブログに書いたホソチョウモドキフタオ C. acraeoides の様に、同じタテハチョウ科のグループをモデルにベーツ擬態をおこなうものは幾つか知られているのですが、ドクガに擬態する種は本族約200種を見渡しても本種の他には存在しないのですよ。そりゃもう、何も迷わずに海外銀行送金するってなもんです。

 数少ない野外での観察例を読んでみると、メスは早朝と夕方に低いブッシュの下や中を昼行性ドクガのようにゆっくりと飛ぶらしく、このあたりモデルと違って敏速に飛翔するアクラエオイデス等とは異なり、より擬態関係に耽っていると言えるでしょう。昼間はオスと共に樹冠の上から降りてこないようですけど。
しかし、メスかぁ。メスの観察なんて、うっかり神域にでも入らない限り無理なんじゃなかろうか。


 他にももう一種、フタオではないですが、このガに擬態していると考えられているのが、イチモンジチョウ亜科の Cymothoe beckeri のメスでして、こちらは普通種です。
面白いのが、この種は雌雄異型でオスの斑紋は薄茶色一色なところ。メスだけ擬態的な形態を持つというのは興味深いですね。

Cymothoe beckeri

 話が逸れましたが、このリディアエフタオについて個人的に一番興味があるのが、「どの種群に所属するのか、あるいは最も近縁なのか?」ということが擬態的な斑紋のために解っていない事です。これは諸説あるのですが、稀少で高価である故か、DNAはおろか肝心の交尾器形態からも調べられたことは無いのです。私も入手してから何度も解剖しようと思いましたが、なかなか踏ん切りがつきませんです、笑。
 さらに翅脈を透かして見ると、本属の特徴である後翅の中室端脈がどうも見えない気がするのです。本当に痕跡もなければ、現状だとアジアの Polyura 属と同じになってしまいますけど、流石にそれは有得んと思うので分類形質と共に属の体系を見直す必要が出てくるかも。

しかし、鱗粉剥ぐのにも勇気がいるなぁ。
ボロでも良いので、もう一頭欲しい。


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