Lepido and Scales
害虫予備軍
2009年 09月 29日 (火) | 編集

昨年から日本中を席捲しているクロマダラソテツシジミ Chilades pandava が遂に我がキャンパス内のソテツでも発生しました。


クロマダラソテツ

クロマダラソテツ

クロマダラソテツ

クロマダラソテツ

クロマダラソテツ
福岡県 西区 糸島半島 九大構内 2009. 9. 27 (携帯で撮影)

ソテツシジミ属Chilades は本来、東南アジアやウォーレシアなどの熱帯アジアに分布しており、ソテツが主なホストで、幼虫は新芽の茎に穿孔し、ボロボロに食い荒らします。

本種C.pandava は東洋区には非常に広く分布しており、現地に行くと比較的よく見かけます。日本では近年では沖縄本島や与那国島に定着し、細々と発生を繰り返していただけでしたが、ここ数年急激に本州まで勢力を伸ばし、今年の8月には東京や千葉でも発生が確認されました。

この北上分散は、近年の温暖化のせいとも言われていますが、おそらく園芸用のソテツの移動や、ある程度の耐寒性獲得もその要因だと思います(低温期型が出現することが知られています)。
現在、大阪府大やICUの方々が、色々と調べているので、そのうち生理的なことやオリジンの地域が分かってくるでしょう。

どうやら本種は卵から成虫までのステージを、たったの2週間で通過するようで、これはソテツをホストとすることに関係すると思われます。
もともと、ソテツは東南アジアでもそれほどまとまって生えていないので、本属は新芽の時期に大量に発生し、一気に分散すると考えられます。


東洋区に分布する本属の他種には、ソテツシジミ C. mindorus という種がいて、こちらの方がキレイで好きなのですが、何処でも少なく、私はボルネオのガヤ島の海岸で局地発生している所しか見たことがありません。
フィリピンのミンダナオにはソテツの純林があるようで、ここでは多いようですが、ソテツ林のファウナなどチョウ採りにはクソ面白くも何ともないので、まぁいつか行ってみたいなぁ、という程度です。
本種もその昔、八重山の竹富島で一瞬発生が確認されたのですが、それ以降はいなくなりました。


どうやらこのパンダバ、野外や飼育下での観察によると産卵数、世代交代の早さ、食べる量、分散能力とも異常なようで、間違いなく園芸ソテツの害虫になるんじゃなかろうかと推測してます。
どうせ来るならならミンドラの方が良かったなぁ。
本種はオジロシジミ Euchrysops cnejus (八重山にもいる)みたいで好きじゃない。


しかし、今日の文章も長いな。




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